おわび

やりたいことなんでも

フィルムカメラと歩く・0本目

はいこんにちは。

 

先日ふと現代の、そして自分の中の写真のあり方みたいなものについて考えた結果、人生初のフィルムカメラを買ってきました!

購入したのはこちら、Kodak(コダック)のフィルムカメラ EKTAR H35 ハーフフレーム。カラーは迷いに迷ってセージにしました。

 

フィルムカメラに馴染みがなく、どんなものかもわかっていない状態のため、こちらに決めるまでにいろいろと調べました。このカメラの”ハーフフレーム”とは、通常のフィルムの2倍量撮影ができるものだそうです。ということは、通常のフィルムの2倍写真が撮れる!ど、どういうこと??

 

つまり、現像した時に、1枚の写真の中に2コマ分写真が入ってくるようです。1枚ずつでも現像できるようなのですが、拡大した感じのちょっとボケた感じになっている…ような印象でした。webサイトを見た感じでは。そのボケ感がなんか、小さい頃に見ていた写真の記憶の雰囲気そのままという感じで、かわいい。

フィルムも安いものではないし、かといって写真を撮るのをためらってしまうのも本末転倒。ハーフフレームでたくさん撮ってみようということでこのカメラに決定しました。

ネットを見ていると、2shot/1枚もおしゃれでいいなあと思ってきました。1回の撮影タイミングで2枚撮るという自分ルールにしてみるつもりです。

 

さてフィルムカメラで写真を撮りたいと思い立ったのは金曜日のこと。ネットで調べるとヨドバシに在庫アリとのことだったので、会社帰りの足で早速買いに行きました。どこにあるか分からず若干迷ったのですが、普通のカメラコーナーとは別の、アルバムや額縁の方にちゃんとフィルムカメラのコーナーがありました。

 

店員さん曰く「ハーフタイプはスマホ転送サービスをやっているところが少ないのでご注意ください」とのこと。ありがとうございます!承知の上でございます😤。

写ルンですを最後に触ったのはおそらく20年ぐらい前のこと。開封したとき、デ…デジタルじゃないカメラだ…と思いました。フィルムの入れ方もなにもわからないので、まずは取説確認しながらセットアップと動作確認からしていきます。

 

まずは空シャッターをきって動作しているかを確認。か、空シャッターって、ナニ。裏の蓋を開けて、ギアを回してからシャッターを押すと切れます。なるほど、いきなりただボタンを押すだけじゃダメなのね。

 

お次はフラッシュの確認をします。電池を入れてフラッシュチャージを開始。そして響き渡るあの懐かしいチャージ音。このキュイーーンって音!めちゃくちゃ懐かしい!写ルンですでもあった!!初回はチャージに時間がかかると書いてあありましたが、1分ぐらいでランプが点灯しました。

いけっ、フラッシュonの空シャッター📸!超まぶしい。思ったよりちゃんとフラッシュしてくれました。近くで見るのはやめましょう。これで本体の動作確認はおわりです。

お次は初めてのフィルム装填。ツメにフィルムの穴をひっかけるのにちょっとだけ苦戦しましたが、先端さえ引っ掛かればあとは自動的にカメラ側のギアにもひっかかってくれました。

 

最後にカウントが1になるまで巻き上げダイアルを回してシャッターをきる、を繰り返します。2回シャッターをきったら1になりました。これで準備完了です!!

 

と、思ったのですが、いざ外に出て2回シャッターをきってみたときの感想は、これカウント進んでる!?わかりづらい!というものでした。

アレ?さっき「1になった!ここから開始や!!」と思ったのに、そこから2回撮影をした(つもり)の段階でカウンターが動いているのかわからない。厳密に言えばちょっとずつ動いているのですが、今が何枚目に相当するかが正確にわからない…もしかしたら認識が数枚ずれているかも。

 

先ほどまで、「わたしの計算によると、1回に2枚撮影することで非常にエモい2shot/1枚が完成するのです…🤓」と思っていましたが、これ思った通りの2枚組になるのか!?

まあ…いっか!これも何が起こるかわからないアナログの面白いところですね。無意識に、撮れたものを思い通りに配置して…というデジタル脳が出てしまっていました。

 

さて、そこからあと2回ほどシャッターをきって思ったことがあります。

フィルムカメラを調べているときに、どのwebサイトも口を揃えて書いていたことがありました。それは『どう撮れているかは現像してみてのお楽しみというのもフィルムカメラの醍醐味』ということ。

 

そりゃあそうだと、頭ではわかっていたこと、もしくはわかったつもりになっていたこと。けれど、実際に撮影した写真がどう撮れているかがすぐに結果として出てこないというのは、なんだかものすごく粋に感じるものでした。

撮ってから現像するまで実際どれぐらいかかるんだろうと、シャッターを4回きってようやく実感として思ったのです。

 

ハーフタイプを買ったので、72回シャッターをきることができます。けれどフィルムは安くない、なので消化試合的ではなくて、「あ、今撮りたい」と思ったときに撮るようにしたい。

となると、今撮った写真を見れるのは72回シャッターをきって、それを写真屋さんに持って行って、現像してもらったものがあがってきて、ようやくなのです。

それっていつになるんだろう?1ヶ月、2ヶ月先かもしれない。デジカメやスマホと違って、任意のタイミングで撮った写真群を見返すこともできない。

 

それがイヤだ、面倒くさい、とは不思議と(?)思いませんでした。ただ、いかに自分が即時性のなかで生きていたのかが浮き彫りになったような感じでした。

 

例えばスマホで撮ったら、画面に映っていたものがそのまま固定されるような感覚です。それはもう、シャッターをきる前からもう撮影結果がわかってるようなもの。

普段、すぐに結果を求めないようにと思って気をつけてはいるのですが、意識すらしていないレベルで、レスポンスやなにか形のあるものがすぐに出てくるのが当たり前になってしまっているのを感じました。

 

たぶん、頭ではわかっていたことであって、本当はわかっていなかったことなのです。実際に体験や体感として得ることで、ようやく真に心得る、つまり納得する感覚。

昔の人は言いました。百聞は一見にしかず。まさかフィルムカメラに触ることで、こんなにもいろいろと感じることがあるとは。

 

4月13日。この日撮り始めたフィルムを現像にもっていくのは、一体いつになるのでしょう。

現像に持って行くとき、このフィルムにどんな写真をおさめたかを、どれだけ把握できているのでしょう。きっと1枚1枚眺めて、ああこんな写真撮ったな〜とか、ここが素敵と思って撮ったんだよな〜とか、なんで撮ったんやこの写真!とか、したりするのです。楽しみ。

 

フィルムを1本使い切ったら、こんな写真が撮れた!ということをまた書きに来たいと思います。

お相手はおわびでした、また今度。